加古川市【多木化学株式会社】バカマツタケ栽培に成功!株価急騰!販売は?発売時期は?

肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)の株価が、5日急騰した。制限値幅上限の前日比1000円(19.42%)高の6150円だ。それも朝一番にストップ高を記録してそのまま終値まで継続している。 急騰の理由は、バカマツタケの完全人工栽培に成功したと前日に発表したから。季節を選ばず大量栽培の道が開けたというので、投資家は飛びついたのだろう。

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 多木化学

2018.10.4
多木化学株式会社 研究所
ライフサイエンスグループ
バカマツタケの完全人工栽培に成功
1. 技術情報
<技術背景>
きのこは、私たちが古くから食べてきた食材です。また、シイタケ、マイタケ、ブナシメジなど人工栽培が可能になったことで、いつでも食卓に並ぶようになっています。
しかしながら、植物と共生する「菌根菌」に分類されるきのこは、生きた植物から栄養をもらいながら成長するという特徴から、人工栽培が難しいとされています。特に、マツタケ近縁種は、日本人に好まれるきのこであることから、多くの研究者が「完全人工栽培※1」に取り組んできましたが、成功した例がありません。
バカマツタケ(学名:Tricholoma bakamatsutake)は、マツタケ近縁種のきのこで、香り、味はマツタケ以上とも言われています。マツタケより小ぶりで、赤松以外の植物(ブナ科)と共生し、発生時期が一ヶ月ぐらい早い(8 月下旬~9 月下旬)のが特徴です。そのため、地域によっては早松(さまつ)と呼ばれ、珍重されていますが、一般の店頭に並ぶことはほとんどありません。

<研究開発>
当社では植物に頼らない培養系でバカマツタケの完全人工栽培に取り組みました。植物と共生しないことで培養期間が短く、「季節を問わず年中供給」できるメリットがあります。また、室内環境で栽培できることは、自然環境で育ったものと異なり「虫混入の心配がない」メリットも生まれます。約 6 年間の研究期間を経て、マツタケ近縁種のきのこで初となる完全人工栽培に成功※2しましたので概要を紹介します。
研究開発の早い段階から、バカマツタケ原基(バカマツタケの赤ちゃんのようなもの)の形成には成功していました。しかしながら、子実体(傘をもつきのこの形態)にすることができず、原基から子実体への形態変化を促すための各種シグナルを試し続けました。植物共生時の植物とのやり取りが分かっていない中での検討でしたので、試行錯誤の連続でした。
2018年4月3日、検討していた実験系の中からバカマツタケ※3の子実体が確認されました(培養期間約 3 ヶ月)。得られたバカマツタケのサイズは、長さ約 9cm、重さ 36g で、天然のものよりやや大きいくらいでした。その後も、バカマツタケ子実体が形成されています(合計 14 本)。食味も確認しましたが、バカマツタケ特有の香りも強く、良好な食感が感じられるものでした。
マツタケ近縁種は、植物との共生が必須と考えられていました。今回の研究成果は、その定説を覆すものであり、学術上の大きな発見になります。私たちの生活にとっても、菌床栽培(一般的な食用キノコの栽培方法)の技術であることから、バカマツタケが身近なキノコになることが期待されます。
※1 完全人工栽培;天然のきのこから分離した菌株を、植物と共生せず、室内の人工栽培環
境下のみできのこを得る方法。
※2 近年、人工的に菌糸を増やしたあと、自然環境にある木に共生させてバカマツタケを得た
報告がありますが、自然環境に頼らない完全人工栽培はありません。
※3 バカマツタケの子実体であることは、遺伝子解析で確認済。

2018.10.4
株式会社 研究所
サイエンスグルループ

 

 

「多木化学株式会社」会社情報

  • 社名:多木化学株式会社 (英文社名 Taki Chemical Co., Ltd.)
  • 本社所在地:兵庫県加古川市別府町緑町2番地 地図
  • 創業:明治18年(1885) 3月
  • 資本金:21億47百万円
  • 上場:東京証券取引所市場第一部
  • 従業員数:単独:453名(2017年12月末現在)
  • 事業内容:アグリ事業、化学品事業、不動産事業
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